浮遊感UFO
2024/04/22
ここ数年で一番聴いた曲は月ノ美兎の「浮遊感UFO」だった。大槻ケンヂとNARASAKIによって作られている。
これへのオーケンの解説が面白くて、曰く「仙台上空のUFO騒動を念頭に作った」とのことらしい。
UFO, 宇宙人を特集した番組は絶滅した。地球周辺の軌道は人類のフィールドとして掌中に収めつつある。ビジネスの場でも宇宙はトピックとして当然に現れ、「宇宙が浮いたロマンだった時代は終わり、地に足ついたフィールドになった」とよく言及される。自分もその一端を担う。
だけど宇宙は、やっぱり夢想的であるし、そうあってほしい。自分は天文物理などはからっきしだけど、野尻抱影などを好んで読んでいて、ずっと宇宙が好きだった。それはやっぱり神秘に惹かれているからだと思う。この曲は、経済から離れた、未知に対する美しさと少しの高揚感、スパイスとしての恐ろしさをちょっとだけ甦らせてくれる。台風が迫る前のそわそわした感覚にもまた近い。
オーケンの歌詞はそうした感覚をスクープしてくれるのが好きで、筋少の「ペテン」「ディオネア・フューチャー」、ソロ名義の「探偵はBarにいて、GHOSTはブレインにいる」あたりをよく聴いている。あとは「林檎もぎれビーム」かな。