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20200723

2020/07/23

論文を読み終え、コーヒーを淹れにキッチンに行ったとき、母が癌であると知った。午後5時だった。この家は新しく建ててから4年しか経過していなかった。

病院や保険会社などの主要な関係先に連絡したあと、車を出そうとする父と少し会話した。「運転は慎重に、雨だから」なんて実際的なセリフは、振り返れば自分の姿には似合わなかったように感じる。

自室に戻り、PDFを開いているウィンドウを閉じた。現状をうまく理解し言葉にするには、多くの情報と時間が必要だった。グーグルクロームを眺めながらも、悲しみは自分の元に去来しなかった。ただしこれは、自分にあてがわれた振り子が、何日もかけてようやく一振りするような巨大なものだからだろうと思った。初めて振動を捉えるのはいつか。

khosoda